カエルアンコウ
Antennarius striatus (Shaw 1794)
◽️形態

体長は約15 cm。
体は卵形で、大きく上向きに開く口が体前方に位置する。
皮膚表面には多数の細かな糸状突起が散在し、ざらついた質感を示す。
誘引突起(イリシウム)先端の擬餌状体(エスカ)には、2~7本に分岐した細長い円筒状の皮弁が認められる。
胸鰭は前肢状に発達し、海底では足のように用いて歩行するように移動する。
体色の変異は大きく、黄色や橙褐色をはじめとする多様な色彩を示す。
体側および各鰭には暗色の縞模様や細長い斑紋が見られ、眼を中心として放射状の縞模様が現れる個体もある。
◽️分布
インド〜太平洋
伊豆〜小笠原諸島、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸
瀬戸内海、宮城県〜九州南岸の太平洋沿岸
◽️生態
沿岸の砂底、砂泥底に生息する。
泳ぎは苦手で、胸鰭と腹鰭を手のようにして歩くように海底を移動する。
天敵から身を隠すために、海綿など周囲の環境に擬態しているが、
危険を感じると口から吸い込んだ水を鰓穴から噴出し素早く前方に逃げることができる。
食性は肉食性で誘引突起先端(エスカ)を小刻みに動かして小魚を誘き寄せて捕食する。
◽️同定
本種はボンボリカエルアンコウによく似るが以下の点で同定できる

・誘引突起先端(エスカ)が2-7本に分岐する(ボンボリカエルアンコウでは一塊の羽毛状)
◽️備考
旧来イザリウオという標準和名が当てられていたが、
日本魚類学会は「イザリ」には足の不自由な人を指す差別的な表現が含まれるとして、
2007年にカエルアンコウに変更した。
食用にされることはほとんどないが、ダイバーの観察対象や観賞魚として人気がある。